VINTAGE ALOHA SHIRT BRANDS – “KING-SMITH”

TEXT: サンサーフ企画総括・アロハシャツ研究家 中野喜啓 (YOSHIHIRO NAKANO)

ヴィンテージアロハシャツのブランド紹介 – 「キング・スミス」

 

キング・スミスというショップを経営していたエラリー・チャンは、度々アロハシャツの生みの親として紹介される人物で、アロハシャツ史の中で重要な役割を果たしている。彼の父は中国からハワイへ移住し、雑貨店を経営していた。エール大学を卒業後、ホノルルに戻ったエラリーは1934年頃に店を継ぎ、キング通りのスミス通りに近い場所にあったことから店名を「キング・スミス・クロージアーズ」と改める。そして、同じくキング通りに店を構えていたムサシヤで仕立てたシャツを「アロハ」シャツと名付けて販売。1936年7月に商標の登録が認められ、8月に〈アロハ〉ブランドの広告を新聞に掲載。以降「アロハシャツ」という名前が他の店では登場しなくなっていく。このように優れた経営者であったエラリーを支えたのが、妹のエセル。画家志望の彼女はカリフォルニアへ留学していたが、1938年にはハワイへ戻り〈アロハ〉ブランドのデザインを担当。彼女の手によって、初期のハワイ柄が数多く生まれた。その後、1940年にワイキキ支店ができるとエセルは経営に力を入れるようになり、1950年には兄から経営権を譲り受ける。店名も「キング・スミス・スポーツウェア」へ改め、女性もの中心の店へと変わっていった。

 

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